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車山湿原の草紅葉・気になる実

2024.10.03

秋晴れの下、車山~八島ヶ原湿原を歩いてきました。

草原と青空
〈車山山頂手前より八島ヶ原湿原の方を望む〉

吹く風は少し冷たいのですが、歩いた日は日差しがやや強く半袖でも良いくらいでした。
でも登山している方は長袖の方が多かったです。

草の黄葉が進んでいて、車山と蝶々深山との間にある車山湿原は黄金色の絨毯のよう。日に照らされて輝くススキの中で、鮮やかさが増して見えました。

ススキとオレンジ色に色づく湿原
<車山湿原>

歩いていると、青い花が目に飛び込んできました。

青紫色のブーケのような花
<ハチがせっせと潜り込んでいます>

リンドウは真上から見ると星のような形で、覗き込むと花びらには斑点模様があることに気づきます。
是非近くで見てみてください。

静かなこの時期は草むらから虫の鳴き声がして心地良いです。
鳴き声と言っても声を出しているのではなく羽を擦り合わせて出している音です。

葉の上に止まる緑色の虫
<ツユムシ>

何の種類か分からなくても、様々な音色から多くの種類の虫がいることがわかると思います。

さて、八島ヶ原湿原周辺では、気になる実に出会いました。

葉の下に黒い実が垂れ下がっている
<黒い実が垂れ下がっています>

この葉っぱには見覚えがあります。えーっと何だっけ…。

葉の下に白い花を鈴なりに咲かせている
<開花期は5~6月>

アマドコロでした。鈴なりに下向きにつく花が特徴です。花と実と、姿かたちがガラリと変わるとイメージチェンジ、印象がだいぶ変わります。

こちらは黄色い実がたくさんなっていますね。

黄色い実と葉がたくさんついている
<さて何の種類でしょう>

低木のように見えますが、木に絡みつく、つる性の植物です。
先日お客様に質問されたのですが、すぐに分かりませんでした。
というのも、普段よく見る姿はこちらだったからです。

真っ赤な実
<1月頃の様子>

冬になると葉が落ちて、つると赤がとても目立つツルウメモドキという植物です。
シワシワの干し柿のようになっている部分は、鳥に食べられますが、冬でも結構残っているのであまり好んで食べられていないのかもしれません。

この赤い部分は実ではなく、種を包む仮種子と呼ばれる果肉状の皮になっています。

外側が弾けて赤い実が飛び出している
<外側の黄色い皮が弾けると中の仮種子が現われます>

こんなものも落ちていました。

殻の付いたドングリ
<コロンとした丸い形>

ベレー帽のような形の殻斗。ミズナラのドングリです。
標高1000m以上の山や北日本に生える広葉樹で、霧ヶ峰では多く見られます。

ミズナラの木
<葉は手のひらを広げたように5枚ずつ付いています>

植物は次の命へと繋げるため変化を遂げます。

見た目にも楽しい実に出会えるこの時期、気になる実があったら是非センター職員にも教えてください。

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