霧ヶ峰ブログ

Seize the day

2024.09.15

湿原では植物が色づく草紅葉が始まっています。
八島ヶ原湿原ではオレンジ色と八島ヶ池に写り込んだ青空のコントラストが美しいです。

青空と橙色の湿原
〈八島ヶ原湿原〉

この時期咲く花の種類は盛夏に比べれば減ってきていますが、湿原周辺ではエゾリンドウサラシナショウマなどが咲いています。

青紫色の花
<エゾリンドウ>
白いブラシのような細長い花
<サラシナショウマ>

霧ヶ峰ではリンドウも咲いていますが、ここでは、エゾリンドウと比べて丈が低めで数十センチ程、上部に1~7個くらい花がついているものが多いです。

青紫色の花
<車山肩で咲いていたリンドウ>

霧ヶ峰では、エゾリンドウは湿原に、リンドウは霧ヶ峰全域の草地で見られます。花の色はエゾリンドウの方が濃い印象ですが、区別するポイントとしては、葉の裏の様子が挙げられます。

白い葉の裏側
<エゾリンドウの葉の裏>

エゾリンドウは白く、リンドウは緑色をしています。葉を触ってみると感触はすべすべしていて新たな発見でした。

ブログで度々紹介していますが、この時期のオススメの花はこちら。

目玉のような見た目の花
<独特な見た目>

ハバヤマボクチです。
花が咲くとアザミに似たような姿をしていますが、開花し初めは目が見開くように、中央から開いていきます。そしてその姿は目玉のようです!
7月のブログでも紹介したのですが、7月頃は全体が黄緑色。周囲の緑に馴染んでカモフラージュしているように見えますが、実は花が咲く数か月前から今と同じくらいの丈にまで成長しているんです。

植物にとって開花は重要することは重要ですが、そのあとに種を作り数を増やすことが最重要ミッションです。また花や茎は枯れたとしても1年草で無い限り、すべてが枯れるわけではありません。
花が咲くのは一時のことなのです。

でもその一瞬を狙って、蝶が我先にと集まってきます。

ギンボシヒョウモンとノハラアザミ
<ウラギンヒョウモンとノハラアザミ>

ここ2週間位よく見かける光景ですが、椅子取りゲームのようです。隣にいても関係なしに必死に蜜を吸っています。
羽がボロボロでも、です。
私は「逞しくてかっこいい」と思っていますが、皆さんならどう感じますか。

この光景を見ていると「今を生きる」ことを見せつけられているように感じます。

英語で「Seize the day」という言葉があります。
直訳すると、「今日を掴む」となりますが、「今を生きる」とか楽しむ、という意味合いで使われます。虫たちは楽しむ、というより大変そうに見えますが実際どうなのでしょう。

人には、過去や未来という概念がありますが、何かを悔やんだりと、今存在しない出来事に捕われてしまうことがあります。逆に過去の出来事を糧にしたり、未来に希望を持つという面もあります。

でも、生きもの達を見ていると、「今を生きる」ことの感覚を思い出させてくれるように感じるのです。

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