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ヤナギランとノビタキの親子

2024.08.06

今年は植物の開花が早いです。
センター前の園地ではヤナギランマツムシソウが既に見頃を迎えています。

薄紫色の花が咲いている
<電気柵の中に咲く薄紫色のマツムシソウ。白いのはヨツバヒヨドリ。>

特にヤナギランの数が多い印象です。ヤナギランはアカバナ科の多年草で高さは1~1.5m程。
濃いピンク色が鮮やかな盛夏の花です。

ピンク色のヤナギランが咲いている様子
<第二園地の辺りで>

以前、海外で撮影された写真にヤナギランが写っていて、「外国にも咲いているんだな」と思ったのですが、この種はヨーロッパや北アメリカ等に広く分布する種です。日本では本州中部以北、北海道の草原に群生します。
花をよく見ると、くるんとつき出た白い部分が面白い形をしています(下の矢印)。

雄しべと雌しべ
<ヤナギランの花>

写真に書いてあるように、これは雌しべです。
開花してすぐの頃は、花粉がついた雄しべが前に出ていて、花粉を出し終わると雌しべが前に出ます。
そして、くるんと先が開くと、花粉が受け入れられるようになります。
自家受粉しない仕組みになっているのですね。
植物の戦略は面白いです。
花に近づいてじっくり観察して見てみるとその違いが分かると思います。

その他、園地ではこんな生きもの達に出会いました。

白い花にとまる黒と青が綺麗な蝶
<ヨツバヒヨドリの花にとまる蝶>

アサギマダラです。最近目にしていなかったのですがここ1週間ほどでよく見かけるようになりました。霧ヶ峰ではヨツバヒヨドリの花が群生していて、先日もこの花にとまり吸蜜している様子や、乱舞している様子を見かけました。以前のブログに書きましたが、幼虫が成虫になれる確率はごくわずか。それを思うと、大人(という表現は変かもしれませんが)になることは奇跡に感じられます。

ノビタキの幼鳥にも出会いました。

ノビタキの子ども
<枝先にとまるノビタキ>

ノビタキのお父さんが付かず離れず近くにいました。見守っているのでしょうか。元気に大きくなれると良いですね。

ノビタキのオス
<ノビタキのオス>

さて先日は、子どもから大人までを対象にしたボランティア体験と、霧ヶ峰パークボランティア主催のイベントを行いました。ボランティア体験では花の名札を付ける作業や巡回を行い、イベントの方はビンゴ形式で楽しく自然を見て回りました。
多くの方に霧ヶ峰の自然の魅力を伝えたい、そんな思いで日々私たち霧ヶ峰自然保護センター職員や、ボランティアの方々は活動しています。

活動している様子
<ボランティア体験で花の名札を付けているところ>

機会があったら是非、センターのイベント等にも参加してみてください。きっと更に発見があると思います。

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